「自他コミュ」努力

前のページで「自分とのコミュのレベル上げをすることでもっと自分を有効活用出来るのに勿体ない!」という話をしました。自分とのコミュのレベル上げで特に大切なのが起きていることを拾う」「心動かす辛辣バトル」「問いに挑み洗練させる3つの努力です。また、自分とのコミュを適切にサポートできる他者とのコミュの力も大切であり、これらを全6回にわたって順を追って解説していきます。まず第1回のこのページでは「起きていることを拾う」「心動かすバトル」を扱います。

<目次>
【自分とのコミュ】
第1回…起きていることを拾う/心動かす辛辣バトル ←今回はココ
第2回…問いに挑み洗練させる/生き方洗練課題
第3回…わさ×きき喋り
【他者とのコミュ】
第4回…自分以上に自分を大切に関わる
第5回…何でも話せるタブー無き関係/真の受容/踏み込み擦り合わせる/メタコミュ
【総括】
第6回…珍獣という名に込めた想い/全体総括

起きていることを拾う

我々が日常的に行っている思考/感情の中には「自分がどう生きたいかのヒント(やりたい/やめたい/快/不快/好/嫌)」や「変化をつくるためのポイント/アイデア/ツッコミ」が沢山溢れていますが、これらをしっかり拾い上げ活用している人が本当に少ない。何よりもまず、これらを「正直に」「丁寧に/細かく」「正確に拾う力が必要です(具体的なやり方については「自M基礎全般」ページの「わさ」で解説します)。

仮に自分の思考/感情を拾ったとしても、多くの場合人は「やる気がでない」「朝起きれない」等と抽象的だったり大きな括りで把握していることが多く、ここを「具体化」「場面特定」しないことでそれ以上話が深まらない例が圧倒的に多いです。

人は話を大きくして解決不能に陥る生き物「具体化/場面特定」

また、起きていることを拾う上で「現状の選択に潜む心の勢力図を把握し紐解く」ことも役立ちます。多くの場合、人の中で1つの意見/選択に100%納得していることは珍しく、複数の自分の意見が混在していてこれらの総和(これを「心の勢力図」と呼びます)が現在の自分の言動/行動に直結しています。そしてそれは言語だけでなく非言語(声のトーン/表情/体の状態…)にもふんだんに表れています。

複数の自分が
いるという捉え方
「勢力図」

非言語は本音の宝庫
「ステート」

ただ、日常的にこんな風に「自分に何が起きているか丁寧に拾う」「自分の中の複数の自分の声にしっかり耳を傾ける」なんてことは中々しませんよね。

起きていることを拾わない代表的な理由として、その価値を知らないからというのもありますが、多くの場合は「面倒/億劫」だったり、「細かくキャッチする=神経質だと思われたくない」「ゴチャゴチャ考えるのは無駄/そんな暇があれば行動した方が良い」といった信念、「本心やストレスを自覚すると目の前のやるべきことを続けられなくなってしまうから見ない」等がとても多いです。

そうして自分の声に耳を傾けなかったり、押し殺して過ごしているとそのセンサーが鈍くなり、いずれその声は無きものになってしまい、そのことにすら無自覚な不感症になっていきます。

先に「心の勢力図」を紹介しましたが、これはよく学校の教室にたとえられます。クラスに複数の生徒(自分の意見)がいて、生徒達の総意を先生(=勢力図を俯瞰する自分)が取りまとめていますが、この時先生が誰か特定のクラスメンバーの声を無視していればその子はいずれ先生に声をあげなくなっていきます。(これが不感症です)

やりたいことが分からない」人の多くがこの不感症状態にあり、自らの心の声をしっかり拾う習慣と共に人生の方向性がハッキリしてくることが多いです。

不感症になっている人は自身ではそのことに中々気付けません。無きものにしていた思考/感情を再度キャッチ出来た時に初めて「今まで心を殺していた」と自覚する例が多いです。

心を殺しがちな人は多くの場合、下記のような特徴を持っていることが多いです。

「心を殺しがちな人の特徴」

  • 正論やべき論を軸に生きてる
  • 負けず嫌い
  • タブー無視
  • 感情より思考偏重
  • 挫折経験少
  • ポジ強迫症
  • 社会的成功を強く追い求めている
  • 恥をかくことが死ぬほど嫌い
  • 日々に忙殺されている
  • 立ち止まらず行動
  • 見つめなければ無いに等しい
  • 自分後回し
  • 心や内面<行動や結果
  • 自分の納得<社会の評価
  • 嫌われないよう自分抑える
  • 弱音吐かない

チェックリストで該当項目が多かった人は「時間を気にせずゆったりできる」「自分の心が動きやすい」環境で「自分の勢力図を理解してくれる」人に話を聴いてもらいつつ、「自分の中で起きていることに徹底的に向き合う」時間を確保する必要があります。

心を殺しがちな人の特徴

「自分が何を欲しているか」「どんな勢力図で今その状態にあるか」が分かればそれを起点に展開することができますが、裏を返せば正確に現状を把握出来ないことには対処は難しい。心を殺すことなく、日常的に自分が垂れ流してるヒントに気付く力&習慣が何より大切です。

心動かす辛辣バトルを仕掛ける

起きていることを拾った結果、それが自分の理想とかけ離れていたり、自分の中で複数の意見が対立している場合はこれらを揺さぶるべく自分vs自分のバトルを仕掛けていきます。

「やりたい」気持ちに対しては「やろう!」、「やめたい」気持ちに対しては「やめよう!」、AかBかで迷っているなら「Aにしよう!」と極端にバトルを仕掛けるのが自らの心を動かすための基本中の基本です。

最速で自らカベに
ブチ当たろう

即座に相手方が納得することはまずなく、ちゃんと互い(複数の自分)の意見を丁寧に拾い、それぞれが大切にしているポイント(エッセンスと言います)をしっかり炙り出し、それに対して再度バトルを仕掛け、複数の自分が心底納得するまで何度もやり取りを続けることが重要です。

バトルは最終的にたった1つの答えに100%納得することだけがゴールではなく、仮に「A:B=6:4」の勢力図だとして、「(それを踏まえた上で)AorBに納得して決断する」こともあります。

その際、出来るだけ「辛辣に」「自分の心が動くよう」喧嘩を仕掛けることがポイント。

先に示した「最速カベ」も心動かすバトルの基本ですが、さらに「心底現場に赴きそれを第三者的に眺めること(臨場と俯瞰)」「ネガを忌避せずしっかり自分の中から吐き出すこと(良いグチ)」「思考レベルで押し通すのではなく感情レベルで納得すること(思考と感情)」「つい忘れがちな既に引き受けている苦を意識すること(引き受ける苦)」「変えられる(ない)もの扱いすることで選択肢を増減させること(定数変数再編成)」等も有効です。

リアルに感じるから心動く「臨場と俯瞰」

良いグチがあるって知ってる?

思考と感情どっちが大切?

辛辣バトルの切り札「引き受ける苦」

変えられる(ない)ものを使い分ける「定数変数再編成」

いくつか心動かすバトルに役立つANTENNAを紹介しましたが、これらは「心底変化を起こしたいと自分が感じているテーマ」で「自分vs自分でバトりながら自らが自らに働きかける」中で活用して初めて効果を発揮します。

どうすれば心が動くかは十人十色。だからこそ「他の誰とも異なる」自分の心がどうしたら動くか、自らが日々実験しながら辛辣バトルに長け、自らに働きかけられるセンス(感覚的なスキル)を高める必要があります。

自分vs自分のバトルは誰しも日常の中で実践してはいます。ただ「エッセンスが炙り出せていない」「感情を無視し思考だけでやり取り」「辛辣バトル出来ていない」「向き合い続けるエネルギーが枯渇」「堂々巡り」等々、様々な理由から対話し尽くせず半端に終わることも多いはず。これらに対し種々の工夫を凝らしながら対話を深め変化を作っていきます。

自分MTGは「MTG」の言葉通り、複数の自分間での「話し合い」であり「作戦会議」ですが、「全力でブツかりエッセンスを炙り出したり勢力図を変える」ためには「心動くよう」「徹底的に」「辛辣に」バトルすることが不可欠。この「辛辣にバトル」から「論破して打ちのめす」「倒す」ことをイメージし「自分同士が仲悪くなるのでは?」と思われることがありますが、「心底納得しても無いのに無理して表面上仲良くする」ことは心を殺すことにつながるわけで、「互いの大切にしているものを炙り出し納得するまで何度でもブツかり合う」ことこそ、本質的な「(複数の)自分と仲良くなる道」だと思います。

「自分と仲良くなる」ことと辛辣バトルは矛盾しない

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  問いに挑め